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交通事故の責任追及

交通事故の責任には民事と刑事の二つがある

交通事故には、二つの側面があります。それは、民事事件と刑事事件です。ただし、更に正確に言うならば、運転免許についての行政事件という側面もあります。
たとえば交通事故によって被害者が死亡、または負傷してしまったケースでは、運転者は刑法によって、自動車運転過失致死罪または、自動車運転過失致傷罪などに問われます。そして、その事故によってもたらされた結果に対して、加害者としての責任を負うことになるのです。
しかし、民事裁判と刑事裁判とでは事実の認定方法が違ってきます。刑事裁判のほうが、より厳格に証明されるのです。したがって、民事上では損害賠償責任が認められるような場合でも、刑事事件では有罪にはならないこともあります。これは、いわゆる「疑わしきは罰せず」という考え方に基づいた判断なのです。このように刑事裁判というものは、一般的には、より重い責任がのしかかってくるものなのです。こうした理由によって、交通事故は重大な事故に限って、刑事事件として扱うようになってきたのです。
しかしその一方では、「自動車運転過失致死傷の事件に対する処罰が甘すぎるのではないか」という意見も多く寄せられるようになりました。そして、現実に起きている様々な重大交通事故の事例を鑑みて、このような意見は、社会的に主流となっていったのです。たとえ重大事故を引き起こした運転手が、日頃から危険な運転をしていることが多かったとしても、裁判官は前例に従って量刑するだけであり、そのことに対する批判も高まっていったのです。
その結果、平成13年には刑法が改正されました。そして、自動車運転過失致死罪よりも重い刑である「危険運転致死傷罪」が設けられたのです。それは、被害者や遺族の立場を考慮した適切な量刑であると言えます。それに、普段から危険な運転をしている悪質な運転手に対しては、確かに或る一定の事故抑止力のような働きもしています。しかし、それでも危険運転致死傷罪によって交通事故の問題が全て解決するわけではありません。
ところで、交通事故が刑事事件として起訴される際の被害者の怪我の程度は、おおむね全治三週間以上が一つの目安となってきています。ただし、たとえ被害者の怪我の程度が重くとも、運転手に何らの過失が認められないような場合には、刑事事件にはなりません。たとえば歩行者が赤信号なのに急に車道に飛び出してきた場合などには、検察官は諸般の状況を的確に考慮した上で点数として計算し、起訴の方針を決定するのです。

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